先日から考えていること。

梨花さんから頂いたコメントでちょっと困っていました。梨花さんが島本理生『波打ち際の蛍』のどういうところに興味を持っていらっしゃるのかわからないということもあって。先月の『ダ・ヴィンチ』のインタビューで「今回はまともな男性を書けました」とおっしゃっていらしたので、あの蛍がどのくらいまともになったのか、それとも島本先生はああいう男性でも「まとも」だと思っているのか、後者の場合がとても怖いのです。ああいう男性を「まとも」と思っていらっしゃるのだとすると、「彼女はどういう恋愛をしてきたのだろうか」とか、まだ生きている&しかも若い作家さんに対して書いてよいのかどうか非常に迷うことになります。
第三回(わたしが読んだところ)までのあらすじをかんたんに書くと、オーバードーズをした20歳くらいの女性がもうすぐ31歳の男性とカウンセリングルームで知り合って交際を始める……という話になると思います。そのあたりまでで、

  • ふつうはそのくらいの年齢のまともな男性はそのくらいの年齢の女性をいきなり誘ってワインのような強いお酒を飲んだりしない。
  • もちろん、「身体に触られるのが怖いんです」と言われたのに触ったりはしない。なるべく我慢する。

というようなことについて疑問に思ってしまうので、蛍も主人公の前の恋人と同じDV男なんだ、そういう小説はあまり読みたくないなぁ、と。ケータイ小説のようなストーリーになれている方にはそう違和感はないのかもしれないのですが、わたしにとってはかなりつらい小説のような気がしてしまいます。
その一方で、なんとなくわたしが困らされるような方々の気持ちがわかるようになるかもしれない小説のような気もしています。例えば、嫌味を言いつつしょっちゅうわたしを誘って来たり頼って来たりたかってきたりしていた、「恋人からのプロポーズに対して『交際は続けたいが結婚はしたくない』と言ったら振られた」ということで悩んでいた元同僚とか。正直に言うと、彼女とわたしはそこまで親しくないので、なぜそういうことを言うのか、しかもよりによって他の元同僚の結婚祝い(仲のよかった四人で集まっていた)の席上でなのか、当時は理解が難しかったです。その後、ボーダーラインについていろいろ本を読んでみたらいくらかわかってきました。
というわけで、いま他に読んでみたい本が一段落したら図書館で予約はしてみるかもしれませんが、いつになるかわかりません。ほかの方の感想もうかがってみたいので、梨花さんが先に読まれたら、感想を教えてくださいね(*^_^*)