『CHICAライフ』(講談社)

その頃、わたしはあこがれていた先輩をひそかに追いかけ回していた。体育の授業でだれもいない上級生の教室に忍び込み、先輩の時間割をチェックする。そして教室移動の時間になると、あきれる友達をむりやり突き合わせて、用もないのにふらふらと音楽室や理科室の前を歩くという非生産的なことを繰り返していた。