森見登美彦インタビュー「三人称使う独特のユーモア 森見登美彦さん初エッセー集」(朝日新聞、2008年10月21日)

 『美女と竹林』の「登美彦氏」は、あくまで作ったキャラクターで、こうありたいという理想でもあり、実際の自分とは違っているという。

 「本人は無口だし、そんなに飄々(ひょうひょう)としてもいないのですが、登美彦氏は饒舌(じょうぜつ)で、飄々としたところもあります。だからこの文章を読んで、さらに作者本人に対する誤解を深めてしまう……という恐れは常にありました。しかし、これはもうしょうがない。書く人間としての『業』です」

 小説とエッセーの中間のような作品をめざした。とはいえ、事実をもとにした話なので、妄想を広げ過ぎるわけにもいかず、悩みつつ書いた。

 「実際にやっている竹の手入れは、ごく平凡な作業。なんとなく不完全燃焼という感じはありました。だから後半で未来予想を書いた時には、せいせいしました。読んでいる人も飽きただろうという考えがあったのと同時に、自分も完全な嘘(うそ)話を書いてせいせいしたかったから」

 やはり、本領は、ファンタジーで発揮できるようだ。
http://book.asahi.com/clip/TKY200810210204.html

http://d.hatena.ne.jp/Tomio/
あ、これは前にご紹介した大阪本社版と一緒ですね。