『草食系男子の恋愛学』つづき。

  • 草食系男子のことを考えていて、先日書いた「モラルハラスメント」や「デートDV」のことにも行き当たりました。
  • 本人も「自分はいいひと」と思っていて、周囲にもそう思われているであろう方で、たまに距離が近くなるとおかしくなる方がいらっしゃいます。例えば、以下のような感じです。
    • 派遣社員(当時)のわたしに電話をしてきて、職場の派遣社員の悪口を言ったりする。どうしてそういうことをわざわざわたしに遠距離電話をかけてきてまで話すのかと尋ねると、「君は他の女性とは違うから」。なにを言っているのかわからず、言葉の暴力に驚きました。いま思うと、彼は恋人と別れたばかりだったので、「あなたのいるところに行って正社員として働きつつ、あなたのお世話をするわ」というような女性が欲しかったのだと思います。この彼は博士号を取得して遠隔地に研究者としての就職が決まったとき、恋人にプロポーズではなくて同棲を打診して振られた方なのですが、どうしてそう女性に対してひどいのでしょうか。大学では教授から「助手として残らないか」と声をかけられたという話だったのですが。
  • こういう感じの「一見いいひとなんだけれど……」という男性は、島本理生の作品にけっこうでてくるように思います。
    • 例えば、『生まれる森』で主人公の女性の睡眠薬を勝手に捨ててしまう男性、彼は一見彼女を心配しているように見えますが、他人の物を勝手に捨てるのはDVですよ。最新作『波打ち際の蛍』で名前も教えてくれない女性を誘うのに、いきなりワインを買ったりするのは配慮がないし、つきあってもいないし嫌だと言っているのに触るのはダメですよ。
    • でも、おそらく「草食系男子」の中にはこうした恋愛小説が好きだったり、彼女の作品に登場する男性のこうした言動にひっかからずにすっと読めてしまったりする方も多いのではないかと思います。まぁ、島本作品に限らず、恋愛小説はけっこう都合のいいシチュエーションが多いので仕方がないとも言えますが。
  • まだ続くかも?