藤野美奈子/西研『不美人論』(径書房)

  • 森見登美彦先生のインタビューが掲載された『週刊大衆シャイ!』10月19日号は「彼女がいない」問題と「ブサイク」問題を取り上げていたので、この本を思い出しました。ちょっと内容をご紹介。対談本なので読みやすいです(脱字がやや目立ちますが)。

西 恥ずかしいこと、いっぱいあるよね、若いころのことって(笑)。
藤野 全然わかってないの。自分のことを知らない人は、まずモテないですから、やっぱり。ブリっ子初心者のときは、もーみごとにモテませんでした。気持ち悪いテンションふりまいてたんだろうなー。
編集部 自分を知らないとモテないですか?
藤野 うん。普通はそう。他者の評価を知って、その場所でどう自分を出していけるか、ということがモテる第一歩ですよ。ただ、美人だと、そういうことはあんまり気にしないでいい。美人には座布団が用意されてるからね。「この人、全然、自分わかってない」と思われても、だいじょうぶだったりする。だけどブスはダメ。「あなたには座布団ないよ」っていう場で、ゆったりくつろいでいると殴られる、というような状態、ブスは(笑)。
編集部 わたしは、まちがいなく殴られるタイプだ(笑)。
藤野 あと、半端に才能があったりすると、他人に認められるより先に「わたしは人と違うわ」って思っちゃってバランス欠く人もいますよね。「自分ってステキ!」って。
西 ああ、そういう人いるね。
藤野 たとえ容姿がパッとしなくても、不器用な性格でも、どこかに変な自信があるんですよ。だから、そういう人の表情って、すごく尊大な自負と、すごく醜い卑屈なコンプレックスが行ったり来たりしているような表情になる。

  • この藤野美奈子さんという方は鋭いなぁと思いました。こういう「すごく尊大な自負と、すごく醜い卑屈なコンプレックスが行ったり来たりしているような表情」をしている方はたまにいらっしゃいますね。
    • 大学時代、同じゼミに「付属高校からはひとりだけしかうちの専修には来られないから頑張った」ということが自慢であるらしい女性がいらっしゃったのですが、その方を思い出します。正直に申し上げると、少なくともうちの大学は推薦入試で入るよりも一般入試のほうが難しいと思うので。あと、その方は、わたしがある男性とお付き合いするようなことになったときに、わざわざ「○○君はわたしに電話をかけてきていたんだからね! あとから知り合ったあんたなんか」と言ってきて、「大学の知り合いから電話がかかってきたくらいでも『彼は自分に気がある』と誤解してしまうような人がいるんだ!」と驚かされたものです。
    • この方は性格からして、同窓会には必ず出席するような方だと思っていたのですが、いまは行方不明でだれも連絡が取れないようです。どうしていらっしゃるのでしょうか。
  • 問題は「顔そのもの」じゃないんですよね……。