有川浩『レインツリーの国』(新潮社)

  • 懐かしのライトノベルの感想文を検索して発見したサイトの管理人の女性へメールを送ったことから始まる恋愛小説。
  • 非常に甘いのと、メールが最初からノリノリなところが気になりつつ、なかなか面白く読めました。
  • あちこちのレビューを拝見すると、「難しい女の子」とか「理屈っぽい人たち」といったものがあったのですが、それでいったらわたしは「かなり難しい女性」ということになります。うーん、これまでわたしの相手をして下さっていた方々はえらいんですね。ありがとうございます(ました)。
  • なかなか面白く読めただけに、かえって気になるところがありました。女性作家さんなので、もう少し気を配ってくれてもいいのになぁ、と。本名も住所もなにも知らないが彼女の事情は知っているという状態で2回目のデート、それでカラオケボックスに行くのですが、そこで監視カメラを気にしつつキスしようとするところとかは配慮がないなぁと。事情のある彼女に対して真面目な気持ちを持っているのであれば、もっと慎重であって当たり前だと思うのですが……。せめて、その前に名刺交換とか改めての告白などがないものか。小説であるがゆえに、そういうところがきちっとしていてほしいと思います。